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2008.06.28 Sat
人 物
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山井絵里香(21)チャットレディ
中島隆(26)会社員・絵里香の客
鈴木葉子(25)エステティシャン・絵里香の
元先輩
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○絵里香のマンション・リビング
カメラのついたパソコンに向かい、話
しかけている山井絵里香(22)の後ろ姿。
帽子を被っている。
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山井絵里香(21)チャットレディ
中島隆(26)会社員・絵里香の客
鈴木葉子(25)エステティシャン・絵里香の
元先輩
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
○絵里香のマンション・リビング
カメラのついたパソコンに向かい、話
しかけている山井絵里香(22)の後ろ姿。
帽子を被っている。
絵里香「じゃあまたねー。バイバーイ」
笑顔の絵里香、パソコンはチャットの
画面で相手の男性の顔が映し出されて
いる。笑顔で手を振っている男性。絵
里香も手を振っている。男性が退室す
るとパソコンの電源を落として、絵理
香、ため息をつく。テーブルの脇にお
いてある鏡を覗く絵里香。鏡に映る絵
里香、帽子をとると左のこめかみの少
し上に十円ハゲがある。絵里香、ため
息をつき帽子を深く被る。
壁の時計、9時38分をさしている。
テーブルの上の携帯が鳴り出る絵里香。
絵里香「もしもし」
○エステサロン・事務室
椅子に座り、受話器を片手に電話をか
けている鈴木葉子(25)
葉子「もしもし絵里香?あたし…うん…今、
仕事終わったとこ。元気?…そう…ねえ、
まだ新しい仕事探してないの?」
○絵里香のマンション・リビング
ソファーに寝そべりながら、携帯で電
話をしている絵里香。
絵里香「はい…まだアレ直んなくって…」
○エステサロン・事務室
葉子、受話器から伸びるコードに指を
巻き付けながら
葉子「だからって、そんないかがわしい仕事
なんかしなくても…うち戻ってくれば?」
○絵里香のマンション・リビング
絵里香パソコンについたカメラを見つ
めながら
絵里香「葉子さんの気持ちは嬉しいですけど、
エステサロンはちょっともう…。それに葉
子さんが思う程いかがわしい仕事じゃない
ですよ?寂しい青年男子の話し相手になっ
てあげてるだけですから…これなら帽子被
ったままできるし…はい…ええ、また」
携帯を切る絵里香。テーブルの上の
鏡に自分の姿が映り、鏡をふせる。
○コンビニ・雑誌コーナー(夜)
雑誌を立ち読みしている中島隆(26)自
動ドアが開き、上下ジャージで目深に
キャップを被っている絵里香が入って
くる。そんな絵里香を目で追う中島。
絵里香、お菓子コーナーに行きチョコ
やスナック菓子をカゴに入れている。
絵里香の様子をチラチラうかがってい
る中島。絵里香、ドリンクコーナーで
コーラをとりカゴに入れるとレジへ。
店員「ありがとうございました〜」
絵里香、レジ袋下げて店を出ていく。
中島、読んでいた雑誌を棚に戻し、絵
里香の後を追い、店を出る。
○コンビニ前・歩道(夜)
コンビニ前、信号待ちしている絵里香。
コンビニから出てくる中島。
中島「あの!」
振り返る絵里香、中島の顔見て固まる。
中島「えりな…だよね?」
絵里香、答えずに顔を逸らす。信号が
青になり走り去る絵里香。中島、その
後ろ姿を見ながら立ち尽くしている。
○絵里香のマンション・玄関・外(夜)
ハアハアと息を切らせている絵里香、
鍵を開け中に入るとその場にしゃがみ
込む。
○絵里香のマンション・リビング
鏡に向かい化粧をしている絵里香。最
後に帽子を被り前髪を整える。深呼吸
をしてからパソコンの電源を入れる。
パソコン画面、客の入室を知らせるア
ラームが鳴る。絵里香、鏡に向かい笑
顔を作ってからパソコンに向かい、入
室を許可する。
画面に映し出されたのは中島の顔。絵
里香、顔が強張るが笑って
絵里香「おかえり。今日は遅かったね」
中島「えりな…あの…」
絵里香「今日は何してたの?」
中島「えっと、今日は休みで…あの…」
画面の中、何か言いたげな中島。
絵里香「あたしは今日、お買い物にいってき
たの。この帽子、かわいくない?」
と言いながら帽子をカメラに向ける絵
里香。
中島「あ、かわいいね。てか、えりなって帽
子ほんと好きだよね。いつも帽子被ってる。
似合ってるけど」
絵里香、帽子に手を添えて
絵里香「かわいい帽子見つけるとすぐ買っち
ゃうんだよね〜」
中島「そうなんだ〜」
絵里香「うん。あ、お菓子食べる?」
中島「うん、食べる」
絵里香「ちょっと待っててね」
絵里香、チョコを箱から取り出し、カ
メラに向けて差し出しながら
絵里香「はい、あ〜ん」
画面の中の中島、口をあけて
中島「あ〜ん」
絵里香「チョコっておいしいよね」
中島「うん…えりな、あのさ…」
絵里香「あ、ポテチも食べる?」
ポテトチップスの袋を取り出し、袋に
手をかける絵里香
中島「ねえ、さっき…コンビニで会ったの、
えりなだよね?」
絵里香、袋にかけた手が止まる。
中島「ノーメイクでも、全然かわんないね」
絵里香、答えられず俯いたまま
中島「俺さ、えりなも知ってると思うけど、
甘いものほんと好きでシュークリームとか
目がないじゃん。だからさ、夜中に食べた
くなるとコンビニいって、買ってきて食べ
ちゃったりするんだよね」
絵里香「…じゃあ全部脂肪になっちゃうね」
中島「そう…だから、ほら」
画面の中の中島、上着をめくりあげる
と、ぽっこりお腹が出てくる。
絵里香「うわっ!」
中島「これ、すごいっしょ。ありえないよね。
中年のおっさんかよって感じじゃない?ま
あスーツ着てたらわかんないから、こんな
お腹なの、誰も知らないんだけどさ」
画面の中島、自分のお腹をさする。
中島「女の人は、ノーメイクとか人に見られ
るのやっぱ嫌だよね。ま、でもこれでおあ
いこってことでさ」
絵里香「中島さん…」
中島「あ、えりなのスッピンとこの腹、一緒
にすんなって感じ?」
画面の中の中島、笑って腹を叩く。
絵里香「ははは…」
絵里香、笑いながら目に涙滲んでいる。
中島「俺…もうここ来ない方がいい?」
絵里香「ううん…」
中島「だって、えりな泣いてんじゃん」
絵里香、涙を拭って
絵里香「中島さん、あたしね…」
絵里香、言いながら帽子をとる。
中島「えりな?」
絵里香「見て…これがあたしのホントの姿。
人に見られたくなくて、ずっと帽子被って
隠してたんだ」
中島「…そっか」
絵里香、脱いだ帽子を脇に置いて
絵里香「ひくよね、十円ハゲなんて」
中島「それ…どうしてできたの?」
画面の中の中島、真剣な表情。
絵里香「笑わないの?」
中島「笑うわけないじゃん。そんなになるな
んてよっぽど辛いことあったんじゃない」
絵里香「…うん、実はね…」
○絵里香のマンション・リビング(朝)
壁にかかっているたくさんの帽子。絵
里香その中から一つ帽子を選んで被る。
鏡に向かい、前髪を整える。
○カフェ・レジ
バンダナを巻いてレジにいる絵里香、
入口が開いて中島が入ってくる。
絵里香「いらっしゃいませ」
中島の顔を見て笑顔の絵里香
中島「カフェオレMサイズとこのAセット」
絵里香「店内でお召し上がりですか?」
中島「あ、はい」
○カフェ・窓際のカウンター席
窓の外見ながらボーっとしている中島。
絵里香「お待たせしました。カフェオレのM
サイズとAセットです」
中島「ありがと」
絵里香、笑顔でプレートごと中島の前
に置き、レジに戻る。
中島「あ、絵里香」
絵里香「ん?」
絵里香、立ち止まって振り向く。
中島「今日何時まで?」
絵里香「七時まで」
中島「了解」
レジに向かう絵里香の背中、見つめな
がら中島、カフェオレをすする。
○カフェ・レジ
客が入ってきて、レジに来る。絵里香、
笑顔で
絵里香「いらっしゃいませ」
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