2008.07.05 Sat
「照れ臭いから口に出してはいわないけど」
あなたはそう言いながら笑った
私に価値があるんじゃないの
私なんてその辺に転がってる石ころと大差ないよ
あなたが必要としてくれるから
私はあなたのそれになれるの
You are my treasure.
あなたにとって私が、そうであるように…
2008.07.05 Sat
寝転がって空を仰げばほら、
違う景色が見えるだろう?
そこにあるのはまったく同じ
何も変わっていないのに
見方を変えたら簡単にほら、
涙が乾いて笑顔になれただろう?
悲しさに身を落としてるのは
他でもない、君自身で
そこから抜け出すのは
君の気持ち次第
それでもどうしてもしんどくて
前に進めなくなったなら
何もしなくてもいい
ただ、寝転がって空を仰げばいい
空は君の気持ちに関係なく
そこにずっとある
ほら、感じただろう?
やさしい風が君を包んでくれているよ
2008.07.05 Sat
人 物
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山下健(18)一橋大学一年生
横田みゆき(19)一橋大学二年生
山下若子(42)山下の母親・主婦
笹原愛(18)山下の高校の同級生
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○一橋大学・キャンパス(朝)
学生たちが足早に校舎に向かう中、一
人たらたらと歩いている山下健(18)。
携帯を手にメールを打っている山下、
宛先は笹原愛。本文のみ「元気?仕事
の方はどんな感じ?」本文を打ち終え
メールを送信する山下、携帯をズボン
のポケットにねじ込む。
○笹原運輸・事務所(朝)
電話で話しながら、パソコンに向かっ
ている笹原愛( 18)周りには年配の男性
社員。
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○同・図書館・屋上(朝)
風に吹かれながら、誰もいないグラウ
ンドを眺めている横田みゆき(19)。白
いブラウスに緑のプリーツスカート姿。
○同・大教室
教壇に立ち講義をしている年配の男性
教授、教室は7割程埋まっている。前
の方に座っている学生はノートをとっ
ている。真ん中辺りは半分程度、居眠
りをしていて、後ろの方は友達とひそ
ひそ雑談している。
○同・学食・入口外
次々と学食へ入っていく学生たち。そ
れを横目に、図書館へ向かう山下。
○同・図書館・地下室
奥の角席にカバンを置き、ふらふら歩
き回る山下。ふと目にとまった本を手
にとり、席に戻る山下。ズボンのポケ
ットから携帯を取出し待受を開く山下、
再度待受を閉じ、携帯を机の上に乱暴
に置くと、椅子をひき座ってため息。
○同・図書館・屋上
グラウンドを走っている学生たちをじ
っと見つめているみゆき。風で髪靡く。
○同・図書館・地下室
本をぱらぱらとめくっている山下。と、
本の間に挟まっていた写真が出てくる。
三枚の写真を机の上に並べ、じっと見
つめている山下、ふと立ち上がり、本
を鞄にしまい鞄を肩にかけ、写真を手
にしたまま、図書館を出て行く。
○同・兼松講堂・外観
ロマネスク様式の建物。山本の手元の
写真、同じく兼松講堂が写っているが
写真の講堂は少し古びている。
○同・正門
正門脇の通りには桜の木。すでに葉桜
になっている。手元にある正門脇の桜
の木の写真と見比べる山下。構図は一
致する。最後の一枚は屋上からとった
グラウンドの写真。グラウンドに一人
走っている人が写っている。じっとそ
れを見つめる山下。ため息つき写真を
持っている腕をおろし、図書館に戻る。
○同・図書館・入口外
入口脇の壁にもたれかかっているみゆ
き。手に写真を持ったまま、やってく
る山下。
みゆき「ね、その写真どこから撮ったか、私
知ってるよ。連れてってあげよっか?」
山下「え?」
山下、驚いて顔を上げると、みゆき笑
って、図書館の中に入っていく。いっ
たん立ち止まり、山下を振り返るみゆ
き、山下がついてくるのを待っている。
山下、軽くため息をついて、みゆきの
後をついていく。みゆき、満足そうに
微笑み、奥の階段をのぼり始める。
○同・図書館・階段
階段を黙々とのぼっていくみゆき。そ
の後を追う山下。階段をのぼり詰めた
先に、扉がある。みゆき、それを押し
て開くと眩しい光が差し込んでくる。
みゆき、その光の中に吸い込まれてい
く。山下、眩しそうに目を細める。
○同・図書館・屋上
グラウンドの方を見つめ立っているみ
ゆきの背中越しにグラウンドを見つめ、
手元の写真と見比べる山下。構図が一
致する。
山下「この写真もしかして君がとったの?」
みゆき、笑顔で頷く。
山下「…ここに映ってるのは誰?」
みゆき「山下くん。好きだったんだよね。ま
あ友達の彼氏だったからこっから見てるだ
ったけど」
山下「へー。あ、ちなみに俺も山下っていう
んですけどね〜」
山下、言いながらグラウンドの反対側
を見て振り返るとみゆきいなくなって
いる。ぐるりと見渡すが誰もいない。
首をかしげながら、屋上の出口に向か
う山下。
○同・図書館・地下室
写真を本の間に挟み、本棚に戻す山下。
○山下家・縁側
縁側に腰掛けて庭を見ている山下。ア
ルバムを持った山下若子(42) がきて隣
に座る。
若子「学校どう?慣れた?」
アルバムを床に置いて、山下の顔を覗
き込む若子。
山下「全然。まだ仲いいやついないし」
若子の脇にあるアルバムを開いてパラ
パラとページをめくる山下。
若子「それ、お父さんかっこいいでしょ?陸
上やってたのよね」
若子、写真を指差して自慢げに笑う。
写真はグラウンドでユニフォーム姿の
男性と隣にジャージ姿の女性、その隣
に白いブラウスと緑のプリーツスカー
トをはいている女性が写っている。
ジャージ姿の女性は学生時代の若子、
その隣に写っているのはみゆきで、山
下、目を見開いて驚く。
山下「この人は?」
山下、みゆきを指差しながら若子を見
返す。若子、写真を見ながら
若子「ああみゆきね。彼女、教授になるのが
夢だったのよね〜。頭のいい子でね。そう
そう写真とるのがすきでね、よくとった写
真くれてたのよね。ここらへんの写真とか、
彼女にもらったものばっかり」
といって若子が指差した写真に、図書
館で山下が見つけたものと同じ写真が
ある。
山下「今でも会ったりするの?」
若子、アルバムの端をぎゅっと握り締
め、眉間に皴を寄せて
若子「彼女…二年の時に亡くなったの、癌で
ね」
山下「そう…なんだ」
若子無言で空を見上げる。山下、無言
のまま、アルバムのページをめくり最
後まで見て、アルバムを閉じる。
山下「ねえ、母さんさ、図書館の屋上って行
ったことある?」
若子「ないわね〜。図書館自体あんまりいか
なかったし。なんで?」
山下「屋上からさ、グラウンドがよく見える
んだよ」
若子「へー」
山下、立ち上がって
山下「俺、ちょっと出かけてくるわ」
○道(夕方)
山下、走りながら携帯を耳に当てる。
山下「もしもし?愛?俺…」
○笹原運輸・外観・看板(夕方)
○笹原運輸・玄関・外(夕方)
壁にもたれかかり待っている山下。中
から出てくる事務服姿の笹原愛(19)。
愛「健、こっち帰ってきてたんだ?」
山下、愛をじっと見つめて
山下「俺…お前のこと好きなんだ」
愛「…急に、どうしたの?」
山下「人間いつ死ぬかわかんないだろ?だか
ら、言えるときにちゃんと言っとかなきゃ
なって思ってさ」
愛「変なの」
山下「仙台と東京で離れてるのにつきあうな
んて無理とか、愛は働いてて俺は学生だか
ら難しいとか、友達関係壊したくないとか
いろいろ自分に言い訳してたけど」
愛「健…」
山下「俺とつきあってください」
愛「…はい」
愛、照れたように笑って、山下と顔見
合わせる。そんな二人の背中、夕日が
染めていく。
○一橋大学・図書館・地下室
山下、写真が挟まっていた本を探すが
見つからない。
○同・図書館・屋上(夕方)
山下、夕日の沈む誰もいないグラウン
ドを眺めながら携帯でその光景を撮影、
とった画像をじっと見つめながら
山下「(小さな声で)ありがとう」
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THEME:
創作シナリオ - GENRE:
小説・文学